アメリカで9番目に人気!?モルモットってどんなペット?
【はじめに】
突然ですが、guinea pigという動物を知っていますか?直訳するとギニアの豚です。「ということは豚の仲間なのかなあ」と思った方もいらっしゃると思いますが、実はこの動物は豚とは全く関係のない、モルモットを表しています。このような変わった名前をもつモルモット、日本ではそこまで馴染みがないかもしれませんが、実はアメリカではペットとして非常に人気で、とあるサイトでは9番目に人気なペットとして紹介されているのです。この記事では、そんなモルモットの特徴や種類、どうしてペットとして人気になったのかについて紹介していきます。
【自然界のモルモットとペットとしての歴史】
そもそも、現在ペットとして流通しているモルモットの品種は自然界に存在しません。南米に生息するテンジクネズミ類の子孫であると言われています。そんな彼らは、自然界では群れで暮らしており、植物や穀物などを食べて暮らしています。多くの天敵に狙われている彼らは、自分で穴を掘ったり巣を作ったりして隠れることはせず、他の動物の巣や植物によってできた隙間などで暮らしているようです。
このようにして自然界で暮らしていたモルモットの祖先が、人間に飼育されるようになったきっかけは食用でした。現在のペルーやエクアドル周辺の地域で家畜として飼育されるようになったのです。またその延長線上として、人間にとって大切な食べ物を捧げる、宗教の生贄として使われることもありました。そして時は経ち、モルモットは医療用の実験動物としても使われるようになりました。そんなモルモットがペットとして扱われるようになったのは、南米からヨーロッパに伝わった時です。その風貌や毛並みが貴族の間で人気となり、プレゼントとして送り合うようになりました。そして現在、モルモットはアメリカで9番目に人気なペットとしての地位を確立するに至ったのです。
【種類】
モルモットは非常にたくさんの品種が流通しています。品種間の主な違いは、毛の長さや性格などです。以下で、代表的なモルモットの品種と特徴を紹介していきます。
・イングリッシュ
日本でもアメリカでも最も人気な品種で、短くて固い毛をもちます。もちろん個体差はありますが、基本的に人慣れしやすく、社交的な性格であると言われています。流通価格は2000–4000円ととてもお手軽です。
・テディ
テディベアが由来となるこの品種は、有名なアニメ「モルカー」のモデルで知られています。彼らの毛は他の品種と比べて中間的な長さです。臆病な性格をしているため、ゆっくりと人に馴れさせる必要があります。価格は1万円程度と少しお高めです。
・シェルティ
とても長い毛で有名な品種です。その見た目は気品が漂っており、貴族を思わせるような風貌をしています。ただ、長い毛をもつがために、病気予防のために毎日ブラッシングすることが必要です。価格は1万円ほどです。
・クレステッド
クレストとは紋章を意味し、その名の通り頭には真っ白の紋章が目立ちます。その見た目は、まるで王冠をかぶっているようです。短毛で滑らかな毛が特徴で、少し恥ずかしがり屋な性格をしています。価格は1万円ほどです。
【モルモットの特徴】
次に、モルモットの特徴や飼育時の注意点を紹介します。
・基礎生態
品種によって多少異なりますが、基本的に体重は1kgほど、体長は20cmほどです。寿命の最年長記録は14歳で、平均的にも5年ほど生きるため、その大きさにしてはかなり長生きな動物なのではないでしょうか。臆病な性格な個体が多いため、飼い主を噛んだり引っ掻いたりすることはあまりないでしょう。また、基本的には日中性ですが、結構ランダムな生活リズムをとることが知られています。そのため、夜間に急に動き出す可能性もあります。
・飼育時の注意点
自然界において、モルモットは群れで生きる動物であるため、多頭飼いが可能なペットです。しかし、繁殖能力が非常に高く、きちんと管理しないと際限なく増殖するため注意しましょう。イヌやネコとは違い、彼らの運動能力はあまり高くありません。跳んで段差を越えたり、物をよじ登ったりすることはあまりできないため、脱走してしまう危険性はそんなに高くないでしょうが、それでも油断は大敵です。また、モルモットは排泄量が多いペットとして有名です。そのため、こまめな掃除が必要になりますが、その一方で彼らは水が苦手なため、シャワーなどで洗うことはできません。体を洗うときは、濡れタオルなどを使って拭き取るなど、水に触れるのは必要最小限に止めるようにしましょう。モルモットは非常に賢く、視覚や音、匂いなどで飼い主の存在や餌の存在を学習します。そのため、飼い主が近づいたり餌を与えるために袋をガサガサしたりすると、それに対する反応として鳴き声を上げます。その音量はそこまで大きくありませんが、集合住宅に暮らす方は、防音対策をした方が無難でしょう。最後に、鼻炎や結膜炎、喘息などのアレルギーの原因となる可能性がモルモットにはあります。特にお子さんのいらっしゃる方は、衛生環境に注意して飼育しましょう。
・モルモットの展示会
日本では、錦鯉の見た目の美しさを競う展示会が有名ですが、欧米では、モルモットを対象に見た目の美しさや人に対する反応などを競う展示会が行われています。このように、モルモットは欧米で非常に人気なペットなのです。
【まとめ】
今回は、アメリカで9番目に人気なペット、モルモットを紹介しました。日本ではあまり馴染みがありませんが、飼育のしやすさや見た目の美しさから、モルモットが実はとても魅力的なペットであることが、この記事でお伝えできたのではないでしょうか。また、モルモットには10種以上の品種があるため、リサーチしてみたらあなた好みのモルモットが見つかるかもしれません。興味が湧きましたら、モルモットの飼育にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。モルモットは、みなさんの生活にさらなる刺激と彩りを与えてくれることと思います。