ハリネズミの飼育ケージには何が必要?状況に合わせて置き物を決めよう!

【はじめに】

 ハリネズミは体長20cmほどの小型の動物です。その大きさに見合った飼育ケージとなると、長辺が70cmほどの小さなものから、1m以上の大きなものまでさまざまだと思います。小さなケージであれば、置くものを厳選しなければなりませんし、大きなケージであれば余ったスペースに何を置こうかと悩むのではないでしょうか。今回は、ハリネズミの飼育ケージ内の置き物に悩んでいる方に、ハリネズミの個性に合わせた最適な置き物を紹介したいと思います。

【絶対に必要な置き物】

 まず初めに、ハリネズミを飼育するに当たって必要不可欠な置き物を紹介いたします。

・ペットシート

 これは、ケージに敷くためのシートです。これを置き物と呼んで良いのかは最後まで悩みました(笑)。ただ、紹介せざるを得ないものかと思ったため、ここで説明させていただきます。ホームセンターなどで購入できる、ペットシートはハリネズミの糞尿によるケージの汚れを防ぐために不可欠です。これによって、汚れの処理が簡単になりますし、糞尿が飛び散らないため衛生的な飼育環境の維持に役立ちます。

・餌や水入れ用の皿

 ハリネズミの生育には、水や餌が必要不可欠なのはもちろんご存知ですよね。そのため、それらを入れるお皿も絶対に必要なわけです。ここで、おすすめするお皿は2cmほどの深さがあるものです。この深さのお皿は倒れにくく、それでいてハリネズミの飲食に影響を与えないほどの深さであるため、ベターな選択であると思います。

・隠れ家や寝袋

 臆病な生態的特徴をもつハリネズミにとって、隠れ家となる場所は必要不可欠です。そのため、ハリネズミが身を隠せるような屋根付きのハウスや寝袋は絶対に必要となります。ここで、どちらがよりおすすめなのか考えてみると、これは好みによるとしか言えません。ハウスは簡単に設置できますしお手入れもほとんど必要ありませんが、ハリネズミは密着した狭い場所を好むため、少しばかりのスペースがあるハウスは、個体によっては好ましくない場合もあります。その一方で、寝袋は密着性が高いため、ハリネズミの安心感は得られると思いますが、夏の蒸し暑い気候の時、寝袋は湿度や温度の観点で不適な場合もあります。そのため、余裕があるのであれば、夏はハウス、冬は寝袋など、季節によって変えてあげるのが良いかと思います。

【好みに合わせた置き物】

・床材

 床材とは、床に敷く木材のペレットなどのことです。これをハウスの中やケージの隅っこに敷いてあげることで、ハリネズミの巣材となります。これは、保温性の確保や、衛生環境の維持に役立ちますが、正直に言ってこれはあってもなくても良いのかなと思います。特に寝袋を持っている方には、必要がないと思います。ハウスしか持っていない方は、ハウスの中に敷いてあげることで、ハリネズミに安心感を与えることができるかもしれませんが、必須とまでは言いません。また、衛生環境を気にして床材を敷こうと考えている方には、後述する砂場の検討もおすすめします。

・回し車

 回し車は、ハリネズミの運動不足解消にもってこいの置き物です。特に、比較的狭いケージで暮らしているハリネズミにとっては、必須と言っても良いかもしれません。ただ、個体によっては、回し車という異物に恐怖を感じてしまう子もいます。回し車を全く利用してくれない子に対しては、当たり前ですが必要ないですし、比較的大きなケージで飼育している場合は十分な行動スペースが確保できるため、必ずしも必要とは言えません。しかし、できればあった方が良い置き物ではあると思います。

・砂場

 砂場はハリネズミのお風呂としての役割やトイレとしての役割を担う、重要な置き物です。砂場は深さ2–3cmほどのトレイに、専用の砂を敷いてあげることで設置しましょう。ハリネズミは、砂場の上で砂浴びのような行動を取ったり、あるいは砂場をトイレと認識して、そこで用を足したりするようにもなります。そのため、砂場はケージ内の衛生環境の維持に大きな役割を持つ施設であると言えます。しかしながら、個体によっては誤って砂を食べてしまったり(特に子供の個体)、砂が口や目に入ってしまったりします。このようなデメリットもあるので、砂場も他の置き物と同様に、一旦様子を見て大丈夫そうであったら定常的に設置するようにした方が良いと思います。

・テラコッタ製の敷物

 テラコッタは、表面がざらざらとしており、触感がひんやりとした材質のものです。この敷物を敷くことには2つの利点があります。1つ目はざらざらとした敷物の上をハリネズミが歩くことで、爪とぎの役割を果たすことです。ハリネズミの爪は伸びすぎると、自分の肌や足を傷つけてしまう恐れがあるため、定期的に爪切りをする必要があるのですが、この敷物を敷くことで、自然に爪研ぎがなされ、爪切りの回数を減らすことができます。2つ目は、ひんやりとした触感により、夏場のハリネズミの憩いの地となることです。ただ、これに関しては個体差があり、ひんやりとした触感が気に入る個体もいればそうでない個体もいます。いずれにせよ、1つ目に挙げた利点はどの個体でも当てはまりますし、そこまでスペースを必要としないため、置いておいて損はない置き物なのではないかと思います。

【まとめ】

 今回は、ハリネズミの飼育ケージに設置する置き物について紹介しました。ハリネズミをお迎えする予定の方は、まずは絶対に必要な置き物だけは必ず揃え、ケージのスペースと相談しながら、順次他の置き物を設置するのが良いのではないでしょうか。ただ、臆病なハリネズミにとってケージ内の変化は大きなストレスとなる可能性があります。そのため、自己満足に置き物を置くのではなく、ハリネズミの健康的な暮らしをサポートするために必要なものを取捨選択して設置しましょう。