ハリネズミ初心者必見!冬を越すためにはどうすれば良いの?

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【はじめに】

 ハリネズミは、アフリカ中部や東部のサバンナに生息する動物です。サバンナは温暖で乾燥した気候であるため、ハリネズミもこのような気候を好む動物であります。その一方で、日本には四季があるため、暖かな春を迎えるためには、厳しい寒さを誇る冬を越さなければならないわけです。そこで、日本でペットとしてハリネズミを飼育する際には、この冬の寒さにどうやって対処するのかが問題となります。今回は、ハリネズミが厳しい寒さの冬を越すために必要なグッズと注意点について、紹介したいと思います。

【ケージの暖房セット】

・温度計

 ハリネズミにとって好ましい温度を管理するために、温度計は必要不可欠です。また、ハリネズミは好みの湿度もあるため、温度と湿度の両方が確認できる温度計を設置するのが良いでしょう。また、温度計を設置する場所に関してですが、ハリネズミが最も多く滞在する寝床付近に設置するのが良いと思います。ハリネズミが長く滞在する場所が最も居心地の良い環境であった方が、ハリネズミのストレスが少なくなると考えるからです。

・床用ヒーター

 これは、寝床の下に敷いてあげる扁平なヒーターのことです。ハリネズミは基本的に同じ場所で眠るため、睡眠時に暖がとれるよう、そこに敷いてあげると良いと思います。冬になると、このヒーターの上に丸まって安らかに眠るハリネズミの姿がよく観察できますよ。ただ、このヒーターを設置する際にあたって、2つのポイントがあります。1つ目は、ハリネズミが直接触れるように設置しないことです。ペットシートの下に敷くなどして、ハリネズミとヒーターの間に何かを1枚噛ませるようにしましょう。そうしないと低温やけどをしてしまう恐れがあります。次に、温度調節のできるリバーシブルタイプの設置を検討してほしいことです。これは、表面と裏面で温度が異なるヒーターのことです。秋頃は低温の面を、寒さの厳しくなる冬ごろは高温の面を表にしてあげることで、温度の調節ができるため、おすすめします。

・ケージ用ヒーター

 床用のヒーターは寝床しか温めることができませんが、ケージ内全体を温めることができるヒーターを設置すれば、寝床に篭る必要がなくなります。そうすれば、冬の間でも活発な活動が促進されるため、健康的な生活の一助になると思います。ケージ内を温めるためのペット用ヒーターにはさまざまな種類がありますが、個人的にはサーモスタット機能付きのものがおすすめです。サーモスタット機能とは、温度調節機能とも言い換えられます。これがあれば、ヒーターによって気温が高くなりすぎて、逆にハリネズミの健康を害してしまう危険性を防止することができます。ケージ内をハリネズミにとって適応である24–30度を維持するために、この機能がついたヒーターの購入は必要なのではないでしょうか。

・ブランケット

 上記で紹介したもので、冬を越すための暖房設備としては十分です。しかし、飼い主さんが出先にいる時や夜間など、室温がかなり低下してしまう時間帯では、これらの暖房器具だけではケージ内の温度管理が難しい場合があります。そんな時にお勧めするのがブランケットです。ブランケットでケージを包み込んであげることで、保温性が抜群に高まります。しかしながら、そんな便利なブランケットにも実は弱点があるのです。それは、ブランケットを被せることで、ケージ内がずっと暗い状態になってしまうことです。動物には体内時計というものが存在するため、ハリネズミはずっと暗い状態に置かれたとしても昼夜を識別することができますが、ずっと光を浴びない状況においてしまうと自然条件とは異なる状況になってしまうため、どうしても健康に対して悪影響となる可能性があります。そのため、昼間は半分から1/4ほど開いてあげ、ある程度の光を与えてあげましょう。

【その他の注意点】

・室内の暖房事情

ハリネズミが冬を越すのと同時に、我々人間も冬を越さなくてはいけませんよね。室温を高めるために暖房をつけると思いますが、これに関しては特に気にすることはないと思います。ただ、要注意なのは加湿器です。乾燥するからといって加湿器をガンガンつけてしまうと、ハリネズミにとって好ましい湿度をオーバーしてしまう可能性があります。ハリネズミは湿度30%以下が好みであり、その健康のためには高くとも40­60%ほどにはしてあげたいです。そのため、加湿のし過ぎには気をつけた方が良いでしょう。特に、加湿器をケージの近くに設置してしまうと、一部分だけ異常な湿度になってしまう可能性があるため、加湿器とケージの距離はある程度離してあげた方が良いです。

・水は夏場以上に大切

 夏場は喉が渇くため、たくさん水をあげる必要がありますが、それは乾燥する冬も同様です。冬は水やりをおろそかになりがちですが、毎日きちんと与えてあげましょう。

・UVBはあったら良い

 UVBとは、太陽光に近いライトのことです。これを日中に照らしてあげることで、夜行性のハリネズミの体内時計の安定化につながりますし、体内のビタミン生成に寄与します。そのため、特にブランケットで覆われたケージで暮らしているハリネズミにとっては、UVBはあると良いものであると言えます。しかし、個人的には日中にちゃんと光を与えるような飼育環境を整えてあげれば、これはなくても良いとは思います。

【まとめ】

 今回は、ハリネズミが健康的に冬を越すために必要なグッズとその注意点について紹介しました。越冬に失敗してしまうと、ハリネズミは冬眠状態に入ってしまい、これは寿命の低下を引き起こします。そのため、多少のコストがかかったとしても、冬を越すために必要なグッズはちゃんと揃えてあげましょう。そして、元気なハリネズミと暖かな春を迎えられると良いですね。