イヌの性格は5つで決まる!あなたの愛犬はどんな性格?
はじめに
一口にイヌと言っても、その性格はそれぞれ違いますよね。イヌを飼育している人なら誰もがその違いを感じていると思います。
たとえば、誰彼かまわず愛嬌を振り撒くような社交的な子もいれば、人見知りしてしまう子、あるいはたくさん吠える子なんかもいます。ただ、うちの子はこういう性格の子だ、とはっきり言い切ることは難しいのではないでしょうか。見知らぬ人にたくさん吠えるからこの子は攻撃的な子なのかな。だけど家族には甘えてくるから本当は優しい子なのかも。と言った感じに、イヌの性格には幅があると思います。
そこで今回は、イヌの性格について徹底的に調べた研究を紹介したいと思います。
イヌの性格
・イヌの性格は5つに分けられる?
ある研究では、“1175頭を対象に行った因子分析の結果、固有値が1以上の5つの因子が抽出された”(引用:https://doi.org/10.1016/S0168-1591(02)00121-1)という結果が得られました。
前提条件を省略していますので、これだけ聞いても何が何だかわからないと思いますが、この結果を要約すると、イヌの性格は大きく分けて5つの特徴から特定できることが明らかになったことを意味しています。
具体的には、「遊び好き」、「臆病」、「追いかけ好き」、「社交性」、「攻撃性」の5つの特徴です。この5つの特徴をもとに、イヌの性格を判定することができます。
ところで、それぞれの特徴をもう少し具体的に述べると、遊び好きとは飼い主ではない見知らぬ人とでも一緒に遊ぶ傾向にあるかどうかで特定される特徴です。また、臆病とは突然現れた不気味な物体や不気味な音に興味をもつかどうかで特定される特徴です。追いかけ好きとはその名の通り、ネズミみたいな獲物のような物体を追いかけ回す傾向にあるかどうかで特定されます。そして社交性は、初対面の人に対して興味を持つがどうかで判断されるものであり、初対面のイヌに対する反応ではないことがポイントです。最後に攻撃性は、見知らぬ物体に対して攻撃をするかどうかで特定される特徴です。
・特徴は他の特徴と関係している?
同じ研究から、遊び好きな特徴は社交性の特徴と関係していることが明らかになりました。つまり、遊ぶことが大好きな子は他の子と仲良くする傾向にあり、遊ぶことがあまり好きではない子は内気な傾向にあるわけです。
その他にも、攻撃性は他の特徴とあまり関係していないことが明らかになりました。つまり、他の特徴からその子の攻撃性を測ることはできないのです。
・犬種によって性格は異なる?
犬種によって、大なり小なり性格は異なるみたいです。具体的には、秋田犬などの原始的な犬はあまり臆病ではなく、攻撃的な傾向にあるようでした。それとは反対に、シェパードなどの牧羊犬は臆病さが高く攻撃性が低いようです。また、ダルメシアンなどのポインターと呼ばれるイヌは他の犬種とは異なり、社交性が低いようです。そしてペットとして人気なトイプードルなどの家庭犬は遊び好きで追いかけ好きな一方、臆病で社交性が低く、攻撃性も低い傾向にあるようです。
犬種で性格は判断できない?
“犬種をもとに性格が予測できる確率は9%しかない”(引用:https://doi.org/10.1126/science.abk0639)。
これはある別の論文で報告された結果です。よく、この犬種はとても社交的だとか、あの犬種はとても穏やかだとか、犬種を基準に性格を語ることがありますよね。実際にこの記事でも、先ほどは犬種によって性格が異なる可能性を述べました。しかしどうやら、これはあまり大きな意味をもたないのかもしれません。確かに、犬種によってある性格を示しやすい傾向はあるみたいですが、その程度にとどまります。それにもかかわらず、ネットで犬種の性格を調べてみると、あたかもその犬種はその性格であるかのように語っているものがほとんどです。この研究は、そんな風に安直にイヌの性格を把握しようとする飼い主に対して警鐘を鳴らすものかもしれません。
まとめ
今回はイヌの性格を、曖昧な経験則や情報によらず、研究や調査に基づいた情報から考えてみました。
ちなみに、イヌの性格はBPHという方法でも測ることができるみたいです。これはイヌに対して、「見知らぬ人を提示する」、「おもちゃを提示する」、「食べ物を提示する」、「驚かせる」、「突然音を鳴らす」、「見知らぬ人が近づく」、「見慣れない場所を歩く」の7つの実験を行った際の反応からイヌの性格を特定するものです。このテストはスウェーデンの犬舎クラブで開発され行われているものであるため、日本に住んでいる我々には関係がないと思うかもしれませんが、実は時折、日本でもスウェーデンの犬舎クラブ主催で性格テストを行うセミナーが行われているみたいです。
この記事を読んで、我が子の性格に興味が湧いた方がいらっしゃったら、ぜひこのテストを受けてみてください。これによって、愛犬に対する適切な接し方を学ぶことができるのではないかと思います。