ハリネズミをお迎えしたい方必見!ハリネズミってどんな動物?何に注意すれば良いの?

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【はじめに】

 近年、その可愛らしさとお手頃さからペットとして人気なハリネズミ。今回は、そんなハリネズミに興味を持っているあなたに、ハリネズミの特徴や飼育する際の注意点をお伝えします。

【ハリネズミの種類】

 現在、日本でペットとして流通しているハリネズミは、ヨツユビハリネズミ(ピグミーヘッジホッグ)のみです。そのため、以降に登場するハリネズミはこのヨツユビハリネズミを指します。日本ではたった一種しか飼育されていませんが、それでもその見た目(特に針の色)は非常に多様で、黒っぽい色から白色、あるいはそれらがミックスした個体もいます。ぜひ、お気に入りの見た目をしたハリネズミを探してみてください。

【ハリネズミの生態】

・生息環境

 自然界において、ハリネズミはアフリカの中部や東部のサバンナに生息します。サバンナの気候は温暖で乾燥しており、ハリネズミはそのような環境が好みのようです。

・捕食者に対する防衛

 ハリネズミの名前の由来ともなっている背中の針は、ハイエナなどの捕食者による捕食の防御手段となる特徴です。そのため、身の危険を感じたハリネズミは体を丸ませて、背中の針を逆立てます。また、ハリネズミは夜に行動をする夜行性の動物であり、これは捕食者との遭遇の回避につながるようです。

・食生

 昆虫や野菜など、さまざまな種類の餌を探し求めて食べています。中には毒蛇を食べた記録もあり、非常に雑食な動物として有名です。また、ハリネズミは嗅覚が優れており、これを頼りに餌を探します。実際にハリネズミを観察していると、鼻を舐めてくんくんと匂いを嗅ぐ様子が頻繁に見られますよ。

・生活

 自然界では群れを形成せず、単独で行動します。また、特定の時期に発情をするわけではなく、1年を通して繁殖を行うため、多頭飼いをする際には、それぞれ単独のケージに入れておくのがおすすめです。

【ペットとしてのハリネズミの利点】

・お手軽さ

 ペットとしてのハリネズミの寿命は4–6年ほどと言われています。しかし、飼育環境や個体によってそれは変化し、たった1,2年で亡くなることもあれば、10年以上生きる個体もいるようです。また、ハリネズミは体長が約20cm、体重が約400gと小型。飼育する際のケージも、長辺を1m以内に収めることができるため、そこまで場所をとりません。以上の2つの理由から、ハリネズミはそこまで気を張らなくても飼育ができる動物です。しかしもちろん、飼育をする際にはきちんと育てきる覚悟を持ってお迎えする必要がありますよ。

・1人暮らしでも安心

 先ほど紹介したとおり、ハリネズミは夜行性です。そのため、昼間は仕事や学校などで外に出ている一人暮らしの方でも安心して飼育することができます。昼間の外出時にはお休みをしてもらい、帰宅後の夜にスキンシップをとるといったように、人にもハリネズミにも無理のない形でコミュニケーションをとることができるのが利点ではないでしょうか。ただ、「夜行性だと深夜に鳴き声をあげてうるさくするんじゃないか」と心配する方もいらっしゃると思います。その心配はご無用。ハリネズミは基本的に鳴き声をあげませんし、あげたとしてもそこまでうるさくありません。そのため、集合住宅などに暮らしており騒音による近所迷惑を心配される方でも、問題なく飼育することができます。

・病気に強い

 また、ハリネズミは非常に頑丈で、病気に強い動物です。ハリネズミがかかりやすい病気としては、「皮膚病」や「歯周病」などが挙げられますが、それらは飼育環境の衛生面に気をつけたり、与える餌の種類に気をつけたりすることで、対策することができます。しかし、大人のハリネズミは「腫瘍」にかかりやすいという特徴も。これに関してはなかなか対策がしづらいですが、それでも他の動物と比べて病気になりにくいので、適切な飼育をしていれば長い間一緒に生活ができますよ。

【ハリネズミを飼育する際の注意点】

・基本的にはなつかない

 ハリネズミに興味を持った方の中には、YouTubeなどでハリネズミの動画を見たことがきっかけの方もいらっしゃるのではないでしょうか。それらの動画では、飼い主さんと非常に仲睦まじく暮らしているシーンが紹介されていると思いますが、必ずしもそれらの動画のように、お迎えしたハリネズミが人になつくとは限りません。ハリネズミは非常に臆病であるため、飼い主であれ、人が近づくとすぐに丸まり、棘をむき出しにすることが基本です。ただ、適切なアプローチをすることで心を開いてくれる可能性もある、といった具合に捉えていただいた方が、飼い始める前と後のギャップを埋めることができると思います。

・水がとても苦手

 ハリネズミを紹介する動画の中には、ハリネズミの入浴シーンなどを取り上げているものが多く見受けられます。はっきり言いますと、ハリネズミに水はタブーです。乾燥した気候を好むハリネズミは水がとても嫌いなため、入浴などをするとストレスがかかりますし、肺に入ると炎症を起こすこともあります。その一方で、衛生管理のために、軽い水浴びをすることは重要です。その際は、足がつかる程度の深さのぬるま湯を張った桶を歩かせたり、濡れたキッチンペーパーなどで軽く拭いたりして対処しましょう。

・温度と湿度の管理

 ハリネズミは温度変化が激しく多湿な日本の気候が苦手です。一般的に、ハリネズミは気温24–30度を好みます。そのため、夏はクーラーをつけたり冬は暖房をつけたりなど、ハリネズミの暮らしやすい室温を保つことが必要です。暑すぎたり寒すぎたりすると、夏眠や冬眠状態に入ってしまうこともあり、それによって寿命が縮んでしまうこともあります。また、湿度管理も重要です。特に夏の多湿な状況はハリネズミのストレスになりますし、あるいは雑菌が繁殖しやすいことから、皮膚病などの病気につながることもあります。そのため、エアコンや除湿機、ケージなどに設置する小型の暖房器具などで、ハリネズミの過ごしやすい温度・湿度を保つことに注意しましょう。

【まとめ】

 ハリネズミはとても可愛らしくて母性本能をくすぐられる存在です。一緒に生活するパートナーとして、きっとみなさまに癒しを与えてくれることでしょう。今回紹介したハリネズミの特徴や注意点が、人とハリネズミのどちらにとっても幸せになれる生活の手助けになることを願っています。